薬害イレッサ支援者の声

中央大学法学部法律学科3年

H・K

私は中央大学の法学部に通うH・Kと申します。将来は社会に役立つ法曹になることを夢見て、日々法学や社会問題について学習をしています。

今回のイレッサ訴訟には2年程前から関わってきました。その間、原告の近澤さんの話を聞く機会やイレッサに関する学習会など、様々な取り組みに参加してきました。それらを通して感じたことがあります。それは、副作用被害の深刻さとイレッサは「薬害」であるということです。「薬害」とは、つまり社会的に解決すべき問題であるということです。

私は薬害被害者ではありません。ですが、一市民として、薬害のない安心して薬の飲める社会を切に望むものであります。その思いとして、次の2点を裁判所に対して強く要望いたします。

 

1 被害の事実を直視してください

 一般的に、薬には副作用がつきものだと言われています。しかし、2002年7月の発売開始から現在まで800名以上の方が副作用により亡くなっていること、そうした被害者は苦しさのあまり呼吸することもままならず亡くなっていったこと、などイレッサの副作用による被害はあまりに深刻ではないでしょうか。病を治癒するはずの薬がこれ程の多くの人の命を残酷に奪って良いのでしょうか。こうした被害の事実は、見方によって色や形が変わるものでも動くものでもありません。また、事実が事実でなくなることもありません。どうか、このような一つ一つの被害の事実から目を背けず、直視してくださいますようお願い申し上げます。

 

2 適切なあり方で解決させてください

 今回の事件が薬害であり社会問題である以上、また、司法が紛争解決機関である以上、裁判所に求められているのはこの問題の根本的な解決へ向けた判断ではないでしょうか。根本的な解決とは、責任の所在を明確にさせること、被害が救済されること、二度と同じような被害が起こらないよう再発防止がなされること、この3点に尽きると思います。こうした解決がなされないのであれば、同様の薬害被害は起こり続け、したがって社会問題が存続し続けることになるのではないでしょうか。紛争解決機関として、具体的な解決のあり方も含めて、適切な判断をくだして下さいますようお願い申し上げます。

 

被害の救済のため、薬害根絶のため、是非とも公正で理にかなった判断をよろしくお願い申し上げます。

以 上

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